【北欧神話】フレイヤの性格は?とんでもないエピソード2選!
物語のあちこちで大活躍のフレイヤですが、実はその性格はあまり褒められたものではありません……。よく言えば天親鸞で表裏のない女。悪く言えば本能そのままで、あまりにもフリーダム。
神話のあちこちには、フレイヤの耳を疑うエピソードが散りばめられていて、「この人、本当に美と愛の女神なの?」と突っ込みたくなることも。
そんなフレイヤの性格がよくわかるエピソードをご紹介します!
ブリーシングの首飾りと引き換えに身売り
ある日あるところで四人の小人たちが素晴らしい首飾りを製作。(小人は彫金の技術に長けていて、何でも作れました)どうしても欲しくなったフレイヤは「売ってくれ」と頼み込み。
「この首飾りは俺たちの傑作なんだから売れないよ」と、小人は一度断ります。しかし、どうしても首飾りを諦めきれないフレイヤ。「その首飾りを譲ってくれるなら、どんなお礼だってするわ」
ご存知の通り、美と愛の女神フレイヤは、ただでさえ美形ぞろいの神々の中でずば抜けて美しい女神。小人はフレイヤを見て欲情したので「俺たち四人全員と寝てくれたらOK」と条件を出しました。「この首飾りは俺たち四人のものだから、俺たち四人全員があんたを楽しまなくっちゃ売れないね」
こんなトンデモナイ条件、普通は断るところですが、フレイヤは億面なく「いいわ」と即答。小人はウジ虫が進化して人の形になったもので、当然醜い姿です。フレイヤは普段小人が大っ嫌いだったのですが、「たった四日我慢すれば、この首飾りは永遠に私のものになるんだわ」と計算。毎晩一人ずつ交代で四日かけて、首飾りを手に入れたのでした。
一説によると、この首飾り事件でフレイヤの旦那(影が薄いですが、旦那がいたのです)はショックのあまり失踪。二度と戻ってきませんでした。
ところがフレイヤ、こんなに旦那に心労をかけたというのに反省しませんでした。ブリーシングの首飾りを手に入れて、ますます美しさを増したフレイヤは、あちこちに浮気相手を作ったのでした。
ロキが告白!とんでもない過去!
「ロキの口論」という物語で、ロキが神々全員を罵倒する場面があるのですが、このときロキはフレイヤにも悪口を浴びせています。
「たくさんだフレイヤ! お前なんかは、次々と悪いことをしたきたない魔女さ。ここにいる神々も妖精も、みんなお前の情夫だもんな。神々は実の兄弟(フレイ)とベッドにいるお前を捕まえた。そしたら、フレイヤ、お前は屁をこいたものさ」
フレイヤはオーディン初め、男性であればどのベッドにも訪れたようですが、何と実の兄まで……。北欧神話の神々はいずれも浮気者で、しょっちゅう神や巨人といいことをしているのですが、さすがに親兄弟とそういう仲になるのは不潔だと思っていました。
その考えがよく分かるのが、フレイヤがアースガルドにやって来た時のエピソード。オーディンを王とするアース神と、ヴァン神が長い戦争を終わらせたとき、それぞれが和平のしるしとして人質交換することにしました。そのとき、ヴァン神からアース神に送られた人質が、フレイヤとフレイ兄妹。その父親のニヨルドだったのです。しかし、アース神はこの親子を汚らしいと思っていました。フレイとフレイヤは、ニヨルドが実の妹との間に作った子供だったからです。(フレイヤとフレイは美形だったので、すぐチヤホヤされるようになるのですが)
もしかしたら、近親相姦によって産まれたフレイヤにとって、実の兄と恋仲になることは何の抵抗もなかったのかもしれませんね。
まとめ
いかがでしょうか。
フレイヤは美と愛の女神ですが、かなり性的に自由人な女神です。彼女に貞操観念は全く欠けているようです。
しかし当時の考えでは、「美」とは「性的に魅力的」ということで、「愛」は「肉欲」とイコールでした。それをふまえると、フレイヤのこの性格もうなずけますね。